久しぶりの内容見本特集です。
やっとスキャナーを使えるようになりましたので、まずは見ていただきましょう。
「沖縄学の父」伊波普猷全集の内容見本です。
伊波普猷は、明治39年に東京帝国大学を卒業し、沖縄に帰ってからすぐに本格的な沖縄研究に着手しました。
一生かけて「古琉球」や「おもろそうし」の研究をしてきたので、「沖縄学の父」とよばれています。
栁田や折口との刺激的な交流が続き、沖縄県立図書館館長を辞任したあと、上京して研究を深めようとしますが、空襲により蔵書、資料などの一切が焼失し、身を寄せた比嘉春朝の自宅で、昭和二十二年脳溢血のため亡くなります。
『沖縄歴史物語』を脱稿したばかりで、これからという時のことでした。
アメリカによって、日本から切り離された沖縄に対して、将来を見通した発言が期待されていた矢先のことだったのです。
栁田との交流と、その位相だけでなく、現在の沖縄問題を考えるヒントとして、もっと伊波普猷に対する研究が盛んになっていいと思うのですが・・・
この全集には、貴重な柳田の書簡も引用されています。
九巻収録の「ユタの歴史的研究」のなかにです。
それは、伊波が明治45年3月の『沖縄毎日新聞』に「古琉球の政教一致〔を論じて経世家の宗教に対する態度に及ぶ〕」という論文を発表し、その切抜きを柳田のもとに送った時の返事なのです。
日付が書いていないので、残念ですが、こんな感じで書簡が発表されていることもあるので、お気づきのことあればご一報ください。
また、伊波普猷についてさらに知りたい方は、『「沖縄学」の父・伊波普猷』(金城正篤 高良倉吉、清水書院刊)を。